株式会社LegalOn Technologies
ビジネスオペレーションセクション/シニアマネージャー 下田 涼太 氏 ビジネスオペレーションセクション 片岡 翔梧 氏
組織の拡大に伴い、属人化の解消と開発プロセスの平準化という課題に直面していた同社は、AIエージェント「Blaze」を導入。いかにして「人に依存しない再現性のある組織」を構築したのか、ビジネスオペレーションセクションの下田氏と片岡氏に話を伺いました。
POINT
「人に依存しない」再現性のある組織へ
汎用AIでは到達できないSalesforce解像度の高さ
生まれたリソースを「保守」から「攻め」へ転換
LegalOn Technologiesについて
ー貴社の事業内容について教えてください。
下田氏:弊社はAIと法律の専門知識を組み合わせた業務支援ソリューションを企画・開発・提供しているリーガルテック企業です。グローバルで7,500社以上に導入(2025年9月末時点)されており、事業も拡大している最中です。
我々はビジネスオペレーションセクションという組織に所属しておりまして、主にSalesforceや、営業・マーケティングチームが利用するツールの保守・管理・開発を担っています。セクション内は、主に開発を担うチームと、要件整理や運用設計を担うプランニングチームで構成されており、さまざまなチームからの相談に対応しながら、Salesforceを中心とした開発を行っています。
AIを活用して人に依存せず、リソースが限られていても再現性のある組織づくりを目指していた

ー「Blaze」を導入したきっかけを教えてください。
片岡氏: もともと2024年の末ぐらいから、AIエージェントを活用して開発プロセスの効率化や共通化をしたいという思いがありました。汎用AIエージェントにGitHubやSlackを連携させ、要件定義などの効率化ができる機能を内製で作ったり、最近ではSalesforceからリリースされたMCPサーバーを使って、効率化や共通化ができないかと考えていました。
しかし、これらはアプリケーションをゼロから構築するような領域で、難易度の高さが課題でした。そのような中、私たちのニーズにまさにフィットするツールとして紹介されたのが「Blaze」でした。実際に利用してみると、要件定義だけではなく、リリースの効率化もできると感じ、導入に至りました。
ーAIの活用はどういった経緯で検討を始めたのですか?
下田氏: 組織が拡大していく中、「このまま人を増やしていくのは現実的ではない」と感じていました。AIを活用し、人に依存せずともエンハンスできるような組織の形を作りたいと考えたのが発端です。採用活動も続けていましたが、求めている人材の採用が難しい市場環境もあり、リソースが限られていても再現性のある組織を作りたかったというのもありました。
片岡氏: 弊社だとSalesforceの開発・運用を完全に内製化し、毎週リリースを行なっています。リリースの頻度が高いため、現状の開発チームの開発リソースだけでは足りないのが現状です。そのため、開発チームだけでなくプランニングチームのリソースも活用し、チーム全体で運用しています。しかし、この体制だとどうしても個々の知識やスキルの違いに加え、チーム内で互いの開発内容を十分に把握しきれない状況が生じていました。その結果、効率化はもちろんですが、プロセスを「共通化」し、品質を平準化していくことが大きな課題となっていました。
導入の決め手は、「Blaze」のSalesforceに関する理解度・解像度の高さ
ー導入の決め手になったポイントはどこでしたか?
片岡氏: 製品のSalesforceの開発に関する理解度、解像度が非常に高く、開発から環境へのデプロイまでがスムーズにできる点です。事前のプロンプト設定なしでも、初回回答で期待値の80%〜90%を満たすアウトプットが得られます。まさに「一人のエンジニア」が加わったような感覚です。
下田氏: システムプロンプトを細かく設定せずとも回答精度が高い点は、実務において大きな価値があります。改修による影響範囲の調査でも、BlazeはSalesforceのメタデータレベルで調べてくれるため、アウトプットの確度が非常に高い。人を一人雇うコストを考えれば、チーム全員にBlazeを付与する方が、組織全体のアウトプットの質は遥かに向上すると感じました。
ー他のAIツールと比較して、Blazeならではのメリットはどこにありましたか?
片岡氏: 以前利用していた「Devin」も非常に便利なツールでしたが、チーム全体への展開を考えるとハードルがありました。DevinはSalesforceに特化したツールではないため、実用レベルにするには裏側のコンテキストをSalesforceネイティブなものにかなり作り込む必要があり、その初期設計やメンテナンスに一定以上のコストがかかることが課題でした。その点、「Blaze」は最初からSalesforceに特化しているため、こちら側でメンテナンスをする必要がほぼありません。導入してチームに展開したら、誰でも自然言語でやりたいことを伝えるだけで期待通りの結果が返ってくる。専門知識による「開発ハードル」を下げ、チーム全体での共通化を図れる即戦力性が、私たちのチームにとてもあっていました。
一般的なAIを利用した際に生じる「その情報どこから取ってきたの?」といったハルシネーション(嘘の情報)についても、Blazeでは発生頻度が低い点も強みですね。
「常識が覆された」――エンジニアを驚かせたBlazeの真価
ー実際に使い始めてみて、特に感動したポイントはありますか?
片岡氏:ソースコードの「横断検索(grep検索)」の精度と速度に驚きました。当初、ローカル環境でこれほど膨大なソースを網羅的に把握するのは無理だろうと思っていたんです。しかし実際には、想像以上に速く正確でした。情報の取得能力において、これまでのAI活用の常識を覆されるような感動がありましたね。
下田氏: Salesforce標準機能の「フロー」が自然言語で作れたことに一番感動しました。フローはコーディングとは違い、UI上でビジュアルに配置していくSalesforce独自の機能です。それが言葉だけで自動構築されるのは、半信半疑だった分、実際に動いているのを見て思わず「マジか」と驚きました。
片岡氏: フローは構造が特殊なので、AIには難しい領域だと思っていました。でもBlazeがすごいのは、デプロイエラーになっても「自分で再試行」してくれる点です。エラーの原因を自分で解消し、実際に動くかどうかまでチェックしてデプロイを完遂する。途中で「無理です」と投げ出したり、人間に聞き返したりする無駄なキャッチボールが発生せず、自律的に動く姿には本当に感動しました。
細かいリリースから、プロジェクトの壁打ち、レポート作成まで幅広い範囲で活用できる相棒

ー普段どのような場面でBlazeを利用しますか?
片岡氏: Blazeは私と下田の2名で現在利用しています。 私がよく利用する場面は3つあり、一つは、毎週のリリースのタスクに対して活用しています。例えば、既存フローの軽微な改修や、項目のリスト値の変更のような細かいタスクですね。要件定義された課題をBlazeに投げると、デプロイまでやってくれます。正直手作業でやっても数分ぐらいで終わるのですが、そう言った細かいタスクに思考のリソースを割くのがもったいないので、積極的にBlazeに任せています。
また、2〜3週間かけて行うような大きなプロジェクトでも活用しています。タスクを細分化して壁打ちをしたり、実際にコードを書いてもらっています。あとは標準レポート作成ですね。開発環境での検証用に一時的なレポートが必要な際、「作っておいて」と言うだけで即座に用意してくれるのは非常に助かっています。
ー「壁打ち」では具体的にどのような使い方をしていますか?
片岡氏: これは私の独自の感覚なんですけど、AIを利用するときは理解をスキップして使うよりも、理解を深めるために使うのが結果的に効率化に繋がると思っています。そのため、「私はこう考えるんだけど、もっと最適な案ある?」といった聞き方をするようにしています。自分の考えとAIの回答の整合性を確認しながら進めることで、開発内容に齟齬がないようにAIを活用することができていると感じています。
ー他にも「Blaze」を利用されている場面はありますか?
下田氏: 最近、PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)が販売戦略を立てる際に試してみました。「現状のプライシングを変更した場合、どんなインパクトが出るか」という集計と示唆出しです。これまでは、スプレッドシートに落として複雑な数式を組み合わせて計算していたのですが、Blazeに直接「この条件のレコードは何件か」「変更後のインパクトは?」と問いかけてみたところ、商談情報や契約情報などのCRM内にあるデータを自律的に参照してレポートを作成してくれて、精度の高い示唆が出ました。開発者だけでなく、ビジネスサイドのメンバー全員が使ってもいいツールだなと感じました。
「Blaze」によって生み出されたリソースを「保守」から「攻め」に活用。

ー導入後、ご自身の業務や組織にどのような変化がありましたか?
片岡氏: 毎週の細かいタスクに時間を奪われなくなったので、本来やりたかった環境改善や大きなプロジェクトに集中できるようになりました。「時間がないから着手できない」という感覚が、今では全くなくなりましたね。
下田氏: 保守的な細かいタスクをAIに任せ、業務インパクトの大きいリリースにリソースを割けるようになったのは大きな変化です。また、「この仕様はどうなっているか?」といった日常的な社内からの質問にも、Blazeですぐに回答を生成できる。コミュニケーションコストが下がり、メインの業務に没頭できる環境が整いました。リソースを生み出してくれることこそが、最大かつ本質的な効果だと感じています。
とにかく「Blaze」を触ってみてほしいです
ー最後に、これから導入を検討する企業様に何か一言あればお願いします。
片岡氏: Salesforce構築の領域でのAIエージェント活用は、まだブルーオーシャンです。「Blaze」はその最前線を走っているツールでありながら、品質が高く導入ハードルも低い。特にテストクラス生成の精度を見れば、Salesforceに対する解像度の高さがわかるはずです。開発・運用・保守などに課題を感じている企業なら導入の検討をお勧めします。
下田氏: とにかく「Blaze」を触ってみてほしいですね。まずは一人でも実際に利用してみて、メタデータを取って影響調査をさせたり、自然言語でフローを作らせたりしてみてください。一度触れば、私たちがこれほど感動している理由が実感できるはずです。きっと、全員に導入したくなると思います。
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※2026年1月時点での取材記事です。



