
Salesforceの構築・活用支援と、地方女性のリスキリング事業を並走させる株式会社Surpass。経験の浅いメンバーが多い組織だからこそ直面していた技術的な課題を、「Blaze」でどう乗り越えたのか。DX事業部の長澤氏と、秋田県湯沢市に設立したサポートセンターでセンター長を務める阿部氏に話を伺いました。
ポイント
- —経験の浅い若手・地方リスキリング卒業生を支える「学習ツール」としての価値
- —Sandbox環境から本番環境へのデプロイという「パートナーあるある」の悩みを解消
- —自律的にエラーを修正し、最後まで完走してくれる開発体験
株式会社Surpassについて
貴社の事業内容について教えてください。
長澤氏: 弊社は株式会社Surpassといい、現在は上場企業であるタナベコンサルティングのグループ会社です。元々は女性による営業代行事業からスタートし、約5年前に、働く女性の新しいキャリアパスを作りたいという思いから私が所属するDX事業部を立ち上げました。
DX事業部はSalesforceの構築・活用推進事業とリスキリング事業の2つの事業を担っています。所属する30人弱の社員のうち7割が女性で、特にプロジェクトマネージャーを担う中心メンバーは新卒3~4年目の20代という、若く女性の多い組織です。
リスキリング事業では、一般的なSalesforceパートナーのような構築・活用支援チームと、「キャリアデザインセンター」というリスキリングチームがあり、「テックウーマン」という名称で地方自治体と連携したSalesforceの教育、就業支援のサービスを提供しています。地方在住のIT未経験の女性を対象に、育休/産休明けなど女性特有のライフイベントに合わせたキャリアアップ/キャリアチェンジの機会を提供しています。
今年2月には、秋田県湯沢市に「DIGITAL PATH YUZAWA」というSalesforceのサポートセンターを立ち上げました。このセンターでは前年のリスキリング卒業生5名を正社員として採用しました。全員がIT未経験者で地元湯沢市の出身の女性になります。
経験の浅いメンバーが抱えていた「技術的な壁」

Blazeを導入したきっかけを教えてください。
長澤氏: 弊社のリスキリング事業のアドバイザーをしてくれている方から、「こういうサービスがあるんだけど」と紹介いただいたのがBlazeを知ったきっかけです。
Blaze導入を検討した背景として、弊社は他のSalesforceパートナーと比較しても若いメンバーが多く、技術的なサポート面の強化をしたいと思っていました。お客様へ丁寧なヒアリングやお困りごとに寄り添った提案ができている一方で、技術的な面での知識や経験が少なく実装に工数がかかりやすいという課題がありました。特に湯沢のメンバーは、Salesforceの学習期間が半年〜1年程度と浅く、彼女たちの不安をどう支援していくかを考えていました。
導入決め手は「クライアントの環境」と照らし合わせて動いてくれること
導入の決め手になったポイントはどこでしたか?
長澤氏: 最初に驚いたのは、お客様から依頼された自社のSalesforce環境の活用状況について診断レポートを作成した時です。
そのお客様はSalesforceを導入して2〜3年ほど経っていて、「取引先や商談を何件くらい使っているか」「誰がどれくらい商談を作れているか」「商談が活動とどれくらい紐づいているか」など、自分たちが今どれくらい活用できているのかを一度見てほしい、という依頼でした。
通常なら商談や活動の紐付け状況などを1件ずつレポートで確認しないといけないのですが、お客様の要望をそのままテキストで入力しただけで、活用診断レポートとしてキャンバス形式で出してくれました。指定したSalesforce環境とスムーズに繋がり、中のデータまできちんと読み込んでくれる点が、以前使っていたGeminiなどの汎用AIとは違うと感じた瞬間です。
もう一つ印象的だったのは、お客様から渡された複雑な予実管理のExcelをそのまま読み込ませたときです。Excelシート3枚分で100項目規模ほどの複雑な内容だったのですが、既存の環境の項目とExcelの内容を照らし合わせながら要件を理解し、必要なApexも1日程度で完成させてくれました。従来の見積もりだと2〜3ヶ月はかかると思っていた作業だったので、本当に驚きましたね。
そして何より「自律型」であることが良いです。自然言語で要望を伝えると、フローやApexの設計方針を自分で判断し、実行してエラーが出れば原因を突き止めて修正し、最終的に使える状態まで仕上げてくれる。他のツールだと人間が都度エラーのやり取りをしなければいけませんが、Blazeはそこが不要で、30分もかからず完走してくれます。最初は「本当に動くのかな」と半信半疑でしたが、何度か試すうちに信頼できると感じるようになりました。
環境調査からデプロイ、データ加工まで。現場のあらゆる作業を巻き取るBlaze

実際にどのような場面で活用していますか?
阿部氏: 私は今、構築に入っているお客様のSandbox環境で、年3回のメジャーアップデートの影響度を調査してもらったり、対応方針を考える際に活用しています。まだ実務ではありませんが、既存のフローを組み合わせて連結したり、オブジェクト定義書を渡してどこまで作ってくれるかなど、実践的な練習で利用しています。テキストや選択リストなどは、ドンと投げればドンと返ってくる感覚で、自分で作るより全然早いです。
長澤氏: 経験の浅いメンバーにとっては、どういう風に構築したら良いのかという観点で学習ツールとしての価値も大きいです。私自身、経験のなかったData 360(旧Data Cloud)領域の保守業務を急に任されたとき、データストリームやデータモデルの基礎からBlazeに教えてもらい、実務に対応できました。
長澤さんの方ではどのようにご活用されていますか?
長澤氏: 特によく使う場面は大きく3つあります。一つは、導入の決め手にもなっている顧客のSalesforce環境の調査です。活用・保守の案件を受けた際には、既にできあがっている環境でどんなフローやApexが動いているかを調べる必要があります。これが細かく時間のかかる作業でしたが、Blazeなら一発で把握できます。
二つ目は、Sandbox環境から本番環境へのデプロイです。変更セットを使ったデプロイは、マニュアル上は簡単そうに書かれているのですが、実際にやるとなると、Sandbox環境で作成したアセットを一つひとつ自分で把握して入れていく必要があります。そのため、あるフローを反映させようとすると、それに紐づく項目も一緒に持ってこなければならず、「この項目、本番環境にはもう作ってあったっけ?」ということまで手作業で確認しなければいけませんでした。
弊社の場合、初期構築を他社が担当しているお客様の環境を引き継いでいるケースも多く、今の環境を崩さずに新しい機能を追加しようとすると、まずSandbox環境で作ってから慎重に本番へ反映する必要があります。それでも、いざ変更セットを上げてみると想定外のエラーが出て、差分のバージョン名がなかなか確定に至らず、7〜8回とやり直しを重ねてしまう、ということが日常的に起きていました。「もう実装は終わっているのに、なぜこれが通らないんだ」と頭を抱える場面も少なくありませんでした。
Blazeに「このSandbox環境で作ったものを本番環境に反映したい」と伝えると、Sandbox環境と本番環境の差分をすべて洗い出し、「差分はこれだけありますが、どれを反映しますか?」と確認しながら進めてくれます。人力では絶対に一発では通らなかった作業が、驚くほど簡単になりました。
三つ目は、データの加工・修正です。従来はデータをエクスポートしてExcelで修正し、データローダーで再度アップロードするという手順が必要で、型を間違えて別の項目にインポートしてしまうといった事故も起きがちでした。Blazeなら直接データを見にいって修正を依頼でき、事前にバックアップも取っておいてくれるので、間違えても元に戻せる安心感があります。
2週間かかっていた依頼が2〜3時間程度で完了、より本質的な顧客対応へ
導入後、どのような変化がありましたか?
長澤氏: Salesforceパートナーとしての生産性は劇的に上がったと感じています。これまで1〜2週間かかっていたお客様からの依頼が、2〜3時間程度で対応できるようになった例もあります。作る部分の工数が圧縮された分、お客様により本質的に向き合う時間が増えました。
Blazeの活用で、「もっとこういう使い方がありますよ」と提案していけるパートナーに

同じようにSalesforceの構築支援をされている企業様へ、一言お願いします。
長澤氏: 正直、同業のパートナーが導入すると自分たちのライバルが強くなってしまうので複雑な気持ちもありますが、パートナーとしては絶対に入れたほうがいいと思います。Blazeを導入することで、特定の作業にかかる工数を大幅に下げられます。その分、お客様のSalesforce活用にもっと力を割けるようになるはずです。言われたことだけをこなすパートナーではなく、お客様に「もっとこういう使い方がありますよ」と提案していけるパートナーが増えれば、業界全体にとっても良いことだと思います。
阿部氏: 私自身、Salesforce業界に入ったばかりで、まだ自信を持てないことも多いのですが、そんな私にも寄り添ってくれる存在がBlazeです。この業界に入りたての方、これから入っていきたいという方にこそ、ぜひ一度使ってみてほしいです。
※本記事は2026年7月時点での取材内容をもとに構成しています。
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